散財日記

散財の記録

ル・ボナー 残心長札入れ サフィアンゴート(内装アテナ)

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ル・ボナーさんのブログを見てたら残心小物シリーズの記事が上がっていました。クリスペルカーフと黒桟革のものが店頭から消えていたので良かった良かったと読んでいたら、

左からドイツのサティアンゴートのブラウンと赤

サティアン?、ああ、サフィアンの打ち間違えかな。ドイツ・クリッパー社のサフィアンゴート。…ん?んんん!!、ちょっと待ってサフィアンゴートってタンナーが廃業したやつでは!

 

最近、ALRAN社のシュリーが気に入ってゴート革がマイブーム。他に良いゴート革が無いかと探していて見つけたのがサフィアンゴート。でも、残念ながら10年以上前にタンナーが廃業してガックリしていたところに、これ。是非とも欲しいとすぐさまサークルさんへ。多分、入荷しているよね。

 

ありました。f:id:akiramei:20191117185902j:plain

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ゴート革と言えばALRAN社が有名ですが、サフィアンゴートも最高峰の一つ。何が凄いって、これタンニン鞣しなんですよね。それでいてこの発色。しかも、経年によって色が劣化することもほとんど無いそうです。

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中世の時代から続く、タンニン鞣しによるゴート革の技術ですが、10年ほど前にタンナーが廃業してしまい失われてしまいました。こんな良い革を作っているのに何故?と思ってしまいますが、廃業の理由はまさしくそれ。この革を作るのに滅茶苦茶手間がかかり、このシボもシュリンクとかでなく手作業で付けていたんですよね。結局、採算が取れずに…

 

今回の残心シリーズですが、色々特別で、内装もその一つ。革がいつものバングラキップではなく、デュ・プイのアテナを使っています。それも今のデュ・プイではなく、買収される前の。

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このアテナですが、ちょっとした裏話があって、買収前のデュ・プイが作った最後の革なんですよね。少なくともサライ商事がデュ・プイから輸入した最後の革です。ちなみにアテナのデシ単価は当時のマローカーフの1.3倍ほど。マローカーフは今のデュ・プイの最高峰のカーフなので、アテナが如何に高いかが分かります。デュ・プイも買収されることになり、最後の革だから気合が入っていたのかも知れませんね。

 

今回の残心シリーズは内装はアテナ、更にル・ボナーさんの工房内で製作しているので(いつもはフラソリティーさん製)、シュランケンカーフやクリスペルカーフのものでも特別感があります。