以前、ちょっと話しましたが、時計を趣味として買っていくのは財力的に厳しいと思い、最後に一つ買って止めることにしました。デザインの良い安い時計を買い集めるってことも考えたのですが、魅力を感じないんですよね。最初にnomosを買ってしまったため、満足できるラインが上がりすぎました。
さて、最後に何を買おうかと考えてみましたが、カジュアルな時計はnomosで満足しきっています。正直、相当高級な時計を買ったとしても、自分にはnomosが一番だと思います。
じゃ、フォーマルなのにしようかな? フォーマルといえば、国産のアレかな?
箱がメイドインジャパンアピールしてる…
過剰包装?なんそれ美味しいの?
おぺれーてぃんぐいんすとらくしょんず?取扱説明書と書けー
これはなんだろう?
グランドセイコー規格検定合格説明書でした。こんな物々しい時計は初めてだよ…
箱を開けてやっとご対面。
アップルじゃないけど、良いもの買ったぞ、と思わせる演出も大事ですよね。
正面から見たところ。いかにもセイコーってデザインです。
グランドセイコーは、針が太いです。よく言えば力強さがあり、悪く言えば野暮ったい。細くスマートな針を好む人の方が多いです。
フォローすると、夜でも月の光があれば、時間が分かるように針を磨いて光らせていますが、大きいほうがより多く光を集めます。蛍光塗料を塗れば一発ですが、フォーマルな時計にはちょっと、ね。
あと、太い針は当然、重いです。ゼンマイもパワフルでなければなりません。グランドセイコーのムーブメントはこの重たい針を動かしながら、クロノメーター級を超える精度と72時間持続を実現します。そう考えると、この太い針も頼もしくもかっこよく見えてきませんか?
見えないですか、そうですか…
ラグ部分に注目。わざわざ面を作って磨いています。こんなところ、なだらかな曲面にすれば済むものを、とんでもなく手間を掛けています。
グランドセイコーのデザインコンセプトの根幹が、「燦然(さんぜん)ときらきらと輝く時計」なので、面があったら磨く、面が無かったら作ってでも磨く、この手間と拘りは凄いです。ヨーロッパの高級時計とは違って分かりにくいですが、グランドセイコーも負けないくらい美しい時計だと思います。
グランドセイコーと言えば、ブレスも凄い。はめてみると磨かれた滑らかな感触と金属のひんやりとした冷たさが心地よいです。革ベルト好きの私がブレスモデルを買うのですから、よっぽどです。
裏側はムーブメントが透けて見えます。実用時計なのであえて過剰な装飾をしていないとは思いますが、個人的にはもう少し色気があってもいいかなと。
長々と書きましたが、これが私の趣味時計の最後となります。一番好きな時計は、やはりnomosですが、その対極っぽいグランドセイコーが、その異常なまでの作りこみで購入を決心させたのは、これまた凄いと思います。