散財日記

散財の記録

Alberto Martinenghi社

イタリア出張中のnobunozaの野崎さんがAlberto Martinenghi(マルチネンギ)社の工房の様子を動画でアップされています。以前、別の方が行ったときは撮影禁止でしたが、40年くらい付き合いのある野崎さんだからこそなんでしょうね。

www.youtube.com

 

マルチネンギの鞄は2つほど持っています。

akiramei.hatenablog.com

akiramei.hatenablog.com

 

価格

万双のビジネスリュックがinstagramで紹介されていましたが、コメントのやり取りによると価格が7万円台後半とのこと。

 
 
 
 
 
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A post shared by 職人のこだわりがつまった高級革鞄 万双 (@mansaw_official)

www.instagram.com

 

ほぼ予想通りの価格(税込みなら予想より安い)です。予想しておいて何ですが、フルレザー(内装はスエード)でこの作りだと、他のブランドならもっと高く予想します。

 

個人的な勝手な感覚なのですが、万双の価格付けって顧客の製品イメージ(ダレスは高い、リュックは安いなど)を優先している気がしています。「顧客が安いと思ってくれる価格はここ」というのがあって、製造コストと販売価格の順位が入れ替わっている商品が結構あると思います。

 

もしかしたら、これはごく普通のことなのかも知れませんが、私が普段見ている工房は、材料費+工賃+利益の積み上げで価格を決めていて、顧客が高級に感じないアイテムでも費用が掛かれば当然のごとく高額にします。

 

www.kabanya.net

ル・ボナーさんのシエラサックですが、シュランケンカーフだと税込み14万円越え。カジュアルなバッグの価格としては、相当高く感じると思います。もし、私が商品企画担当なら顧客感覚を優先して何としても10万円以下に抑えたくなります。(つまりシュランケンカーフでは作れない訳なんですが)

 

他にもブランドに新しい人を引き込むため(いわゆる入門アイテム)に戦略的な価格付けをする場合もあります。WILDSWANSのTONGUEなんかがそうですね。(価格改定で以前ほどの割安感はなくなりましたが)

 

普通は、価格が高い安いくらいにしか注目しませんが、ブランド内のアイテム間の価格、別ブランドと比較した価格を見ておくと、妥当な価格が見えてきます。実際の販売価格が大きく違うと、高い!とかお買い得!みたいな評価を自分の中で出来るようになりますし、気になれば理由を店頭で確認したりします。(素材を格安で入手出来たので特別価格で出しました、みたいな理由が分かって即購入とか)

 

価格の理由をあれこれ考える顧客は少数派ですよね。私は店頭で「これ安すぎます。利益出ているんですか?」とか言い出すような変わり者なので…

 

ジャパンレザーアワード

ジャパンレザーアワード2021の審査会が先日行われました。

www.jlia.or.jp

 

グランプリ以外の受賞作品が発表されています。

award.jlia.or.jp

 

ベストプロダクト、フューチャーデザインの2つカテゴリに分かれて応募されます。名前の通り、ベストプロダクトは製品の良さを、フューチャーデザインは先進的なアイディアが評価されます。

 

ベストプロダクトは企業参加も多く、おそらく若手のモチベーション向上が目的でしょうね。一方でフューチャーデザインは個人が多いです。職人として箔をつけるという意味合いもありそう。

 

私自身は、ブランドなど世間の評価は気にせず、自分の気にったモノを買うのですが、一方で客観的にどんなものが評価されるのか、というのは知っておきたいと思い、毎年ジャパンレザーアワードをチェックしています。

 

無双仕立て

マスミ鞄嚢さんの新作ラウンドファスナー長財布ですが、外装・内装ともにシュランケンカーフです。シュランケンカーフの財布をよく見かけるようになりましたが、内装もシュランケンカーフなものは少ない気がします。

masumihono.sakura.ne.jp

 

意外に思う方もいるかもしれませんが、財布で使用する革の量は外装より内装の方が多く、外から見えない部分なのに高級な革を使うとお客さんは割高に感じるでしょう。なので、シュランケンカーフのような革は使いにくいといったところでしょうか。

 

ちなみに、外装・内装共に同じ革を使うことを「無双仕立て」と呼ぶことがあります。これは、ダレスバッグのオーダーメイドの打ち合わせに、かばん工房エンドウさんを訪ねたときに内装の革で悩んでいたら「いっそのこと無双仕立てにしますか?」と聞かれて、そう呼ぶことを知りました。

 

折角覚えたので事あるごとに使っていたのですが、他に使っている人は見かけませんでした。おそらく、相当昔からやっているような工房でないと使わない言い回しなのでしょうね。

 

この「無双仕立て」ですが、実は、きもの用語らしく、歴史としては着物の方が鞄よりも長いことを考えると、昔の鞄職人がしゃれた言い回しだから真似て使うようになったのではないかと想像します。

山羊革

先日に続いて話題にしますが、IKUMAさんのブログにてシュリーが紹介されています。シェーブルとも呼ばれますが、某ハイブランドにおける呼び名なので私はシュリーと呼ぶようにしています。ただ、シェーブル呼びの人も多いですし、あまり気にしなくても良いのかも。

ikuma-kaban.com

ikuma-kaban.com

 

高品質な山羊革と言えば、真っ先に名前が上がります。国産でも良いものはありますが、個人的に発色は敵わない印象なのでカラフルな色ならAlran社のを選びます。厚みが1.1mmほどなので小物向きでしょうか。バッグ向けだと同じAlran社のdiderot(読みはディドロで良いのかしら?)が、2.2mmほどあるので、こちらの方が良いかもしれません。ただ、あまり国内で見かけないんですよね。Alran社へのオーダーは45枚以上からとハードルが高いです。

 

後は、K2さんで扱っている、フランスのジュリアン社の山羊革も高級ブランドでも使われる質の高いもので、厚みも1.6mmほどあります。バッグなどはこちらを使っても良さそうです。

 

山羊革は基本的にクローム鞣しですが、かつてはタンニン鞣しの山羊革もありました。ドイツ、クリッパー社のサフィアンゴートなのですが、タンナーは廃業してしまい、多分、国内だと革好きの工房や職人さんが在庫として持っているくらいでしょう。ル・ボナーさんとか、くさかカバン店さんとか。

 

偶には牛革以外も使いたいけどエキゾチックレザーはちょっと…という方には、山羊革はお勧めです。ラム革(羊)も触り心地が最高でお勧めしたいところですが、かなり柔らかい革なので、アイテムによってはちょっとリスク込みとなります。

 

捨てマチ

以前、IKUMAさんにて捨てマチを応用した名刺ケースが紹介されていました。

ikuma-kaban.com

ikuma-kaban.com

 

縫製の技法に詳しくないので、捨てマチも雰囲気で何となく理解していたのですが、ちょっと認識が合っていませんでした。

 

捨てマチって何?って方もいらっしゃるかも知れませんが、実物を見るとああ!となります。ル・ボナーさんのデブペンケースです。デブペンケースはル・ボナーさんが40年前から作っている商品の名前なのですが、一般名称は「捨てマチペンケース」と言います。ちなみに画像は万双のペンケースですが、ル・ボナーさんは20年ほど前に万双の下請けをされていたため、同じ形のアイテムがあったりします。

f:id:akiramei:20211003114035j:plain

 

この形を大雑把に捨てマチと認識していたのですが、具体的にはどこが捨てマチに当たるのでしょうか?

 

マウスで線を引いたのでヨレヨレですが、この部分が捨てマチとなります。ザックリ言うと内縫いを使わずにステッチを見せない縫製技法のひとつとなります。

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詳細については、こちらの製作の様子が分かり易かったです。ブログを読んだ後でペンケースのファスナーを開けて中から見るとどういう構造か分かると思います。

torejilog.com

 

素人なので理解が間違っているかも知れませんが、とりあえず自分の中では整理がつきました。となると、先日購入したアンバランスも捨てマチ技法を使っていますよね?(間違っていたらまだ理解不足ですね…)

 

学手鞄

ル・ボナーさんのブログを見たら、学手風ブリーフの量産サンプルが完成とありました。元々工房内で製作されていたのですが、量産化が出来ず、2014年頃を最後に作られていなかった形です。

www.kabanya.net

 

遂に量産化の目途が立ったようです。価格は20万円以下。2014年当時で30万円ほどだったので量産化により半額近いところまで価格が落ちそうです。

 

実用を考えると大きくて物の出し入れも面倒な鞄であり、ほぼ、マニア向けな気がします。私も欲しいのですが、20万円弱はホイホイ出せる金額ではないのでちょっと悩みますね…

 

同系統の鞄だと、くさかカバン店さんのTNK。こちらは40万円。

kusaka.net

 

ORTUSさんのHAZEL。こちらは44万円から。

www.ortus-bag.com

 

大峽製鞄さんの冠式ブリーフケース。24万円。大峡さんにしては安い気がします。若手職人さんによるものですが、この方が製作するものはちょっと価格が抑え気味なのかしら。(財布もそんな感じだったはず)

www.ohbacorp.com

 

実用性を無視して欲しい鞄は、これの他だとアタッシュケースなんかもそうですね。