さて、これはなんでしょうか?革っぽいですが…
GANZOの紙袋でした。老舗の革鞄ブランドらしさを出しつつ遊び心があります。
で、取り出すと布袋に包まれた縦長の物体。
リュックでした。
革趣味を始めてから一つも買ったことが無かったリュック。引っ張りに引っ張ったので、気合が空回りして無駄に凝ったオーダーメイドをして失敗する姿が目に浮かび、とりあえずなんか買ってみようか、となった次第。
ただ、ブランドに縁が無さそうな私がGANZOを選び、実用性重視でシュランケンカーフばかり買っているのに、よりによってリュックをタンニン鞣しの革とか、自分でもえ?え?って感じです。(笑)
さて、リュックに使われている革ですが、実は国産革。欧州の一流革をメインで使っているGANZOにしては珍しいです。原皮が飛騨牛なのですが、革の製造方法がかなり特殊。
普通、原皮は塩漬けしてタンナーに送られるのですが、塩漬けによって革の繊維が痛むので、ここが腕の見せ所になります。ところが、この飛騨牛の場合、塩漬けを行わず、チルドすることで繊維を傷めず、新鮮な状態でタンナーに届けることで高品質を実現しています。
7QS-Hをたどる旅 | 最高級のメンズ革製品 GANZO(ガンゾ)公式WEBサイト
チルドと一言で言っていますが色々苦労があり、詳しくはGANZOのサイトをご覧ください。
実はル・ボナーさんの新フラボナシリーズの革もチルドしたもので、GANZOのサイトを見て飛騨牛だったのか!と話が繋がりました。ただし、鞣し加工はGANZO独自の製法を取っているので、フラボナで使っている革とは同じではありません。フラボナはまだ見ていないので伝聞になりますが、GANZOの方が多くの手間がかかっていて、言わば和製バケッタ製法といった代物です。
話が脱線しましたが、リュックに戻ります。裏側はこんな感じ。シボが強めに出ています。これも型押しやシュリンクではなく、ドラムタイコを使用したミーリング加工になっています。
ショルダーの裏は生地になっています。
長さ調整は五段階。
ボディの左右にはファスナーがついていて、右側がポケットになっています。結構大きい。
かぶせを開いたところ。口は巾着のように閉めます。
後ろから見るとこんな感じ。
左のファスナーは中に直結していて、かぶせを開かずにアクセスできます。普段はここを使うことになりますね。
サイズ的には大きくも小さくもない程度。参考までにペットボトルを入れていました。
前面のファスナーポケットはこんな感じ。
内装で使われているのはヘリンボーンのコットン。これはGANZOのアイテム共通かな。
細部の作り。丁寧な仕上げです。この内容をGANZOから10万円以下で出すのは、かなりの頑張りな気がします。(品質とコストのバランスどりの苦労が見え隠れします)
底はシンプルに。
修理無料保証書が付いています。GANZOの価格帯って正直、かなり高いのですが、アフターケアや直営店でのポイント10%還元など、長くお付き合いするのなら、そこまでは高くない気もします。(凄く高い→結構高いくらいの違いだけど)
ただ、この飛騨牛を使った7QS-H(このHは飛騨のH)シリーズは、革の質を考えるとかなり安いと思います。海外ブランドの革に拘りがなければ一考するのもアリです。
私にしては珍しくブランドものを買ったのですが、広告系以外の情報はあまり見かけなかったので、長々と書いてみました。