散財日記

散財の記録

無双仕立て

マスミ鞄嚢さんの新作ラウンドファスナー長財布ですが、外装・内装ともにシュランケンカーフです。シュランケンカーフの財布をよく見かけるようになりましたが、内装もシュランケンカーフなものは少ない気がします。

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意外に思う方もいるかもしれませんが、財布で使用する革の量は外装より内装の方が多く、外から見えない部分なのに高級な革を使うとお客さんは割高に感じるでしょう。なので、シュランケンカーフのような革は使いにくいといったところでしょうか。

 

ちなみに、外装・内装共に同じ革を使うことを「無双仕立て」と呼ぶことがあります。これは、ダレスバッグのオーダーメイドの打ち合わせに、かばん工房エンドウさんを訪ねたときに内装の革で悩んでいたら「いっそのこと無双仕立てにしますか?」と聞かれて、そう呼ぶことを知りました。

 

折角覚えたので事あるごとに使っていたのですが、他に使っている人は見かけませんでした。おそらく、相当昔からやっているような工房でないと使わない言い回しなのでしょうね。

 

この「無双仕立て」ですが、実は、きもの用語らしく、歴史としては着物の方が鞄よりも長いことを考えると、昔の鞄職人がしゃれた言い回しだから真似て使うようになったのではないかと想像します。